ジンとウォッカの歴史|クラフトジンを銀座で飲むなら世界のお酒を取り揃えるBARWHITEOAK

ジンの人気はウォッカの隆盛に大きく水をあけられました。マーケティングの巧みさにより、ジンは古臭い酒というイメージから脱することができませんでした。1970年代から1980年代にかけて、アメリカでのジンの売上は安定していましたが、カクテルブームの時代と比べるとその存在感は薄れ、ジンにとってまさに暗黒時代と言っても過言ではありませんでした。

ジンはスポットライトが当たらない時期を経験しましたが、品質の向上とマーケティング戦略の成功によって状況が変わりました。その転機となったのは、1987年に発売された製法や原料にこだわり抜かれたプレミアムジン、ボンベイサファイアでした。この製品は、味や香りのクオリティだけでなく、高貴で美しい印象を与える青いボトルも大きな影響を与えました。この青いボトルは古めかしいジンのイメージを覆し、洗練された印象を一般の市場に広く受け入れさせました。ボンベイ・サファイアは、若い世代にも手に取りたくなるような洗練された飲み物としてのイメージを形成することに成功しました。また、ビーフィーターやギルビー・ジン、ゴードン・ロンドン ドライジン、ハンカレー・ロンドン ドライジンなど、こだわりの製法で造られる高品質なジンを提供し続けることで、熱烈なファンを生み出しています。

ジンは波乱万丈の歴史を持ち、社会問題を引き起こしたり、華々しいカクテルの時代の主役に躍り出したりと、さまざまな展開を経験してきました。しかし、ここ数十年は比較的穏やかな時代を過ごしています。ジンはカクテルのベーススピリッツとして一定の地位を築き、発祥国のイギリスだけでなく、世界各国で愛飲されています。イギリスのジンの1人あたりの消費量は世界第5位に位置していますが、上位はフィリピン、スロバキア、オランダ、スペインとなっています。しかし、第1位のフィリピンでも、ジンの年間1人あたりの飲酒量は1.4ℓです。この数値は少なくはありませんが、ロシアでのウォッカの年間1人あたりの飲酒量が14ℓであることを考えると、ジンの消費量は多いとは言えません。このように、ジンは広く定着していますが、酒類の中での影響力はそれほど大きくない現状があります。