ジントニック登場の歴史|ジンベースのカクテルやクラフトジンを銀座で飲むならBARWHITEOAK

ジンがカクテルの主役になるまでの歴史には、苦難の道程がありました。18世紀当時、ジンは安価な酒と見なされており、富裕層向けのパンチには使われませんでした。パンチは贅沢な材料で作られ、ジンを混ぜることは考えられませんでした。しかし、ジンが健全な流行を迎えるのは1930年代で、ロンドンのサヴォイホテルのバーテンダー、ハリー・クラドックが『The Savoy Cocktail Book』を出版し、750種類のカクテルのうち半数以上がジンベースであることを示しました。ジンがカクテルの主役として認められるまでには時間がかかりましたが、その道程を辿ることで評判が改善され、ジンはカクテルの世界で栄光を勝ち取ることになりました。

18世紀半ばには、中産階級を中心にジン・パンチが人気を博しました。

ジンパンチは、18世紀にイギリスで生まれたカクテルです。ジンパンチは、ジンをベースとしたパンチというカテゴリーに属します。通常、パンチはフルーツや砂糖、香辛料を混ぜて作られる大きなボウルから注がれ、カップに注がれますが、ジンパンチはその中でもジンを主要なアルコールとして使用します。

18世紀当時、ジンは比較的安価な酒であり、中産階級や貧困層に広く受け入れられていました。ジンパンチは、このような層に人気がありました。ジンパンチは、ジンの味わいを活かしながら、フルーツや砂糖、香辛料との組み合わせで飲みやすく、風味豊かなカクテルとして楽しまれていました。

この人気は、高品質のオランダ・ジンを使用することで味わい深さが増す一方、当時のジンが持つとされた健康効果にも期待が寄せられていました。ジンは腎臓結石や脚気の治療、汗を促進させる、虚弱体質を改善するなどの効果があると信じられていたため、広く飲まれていました。さらに、ジン・パンチは人間だけでなく、家畜の健康維持のためにも使用されていました。

ジントニックは、ジンとトニックウォーターを組み合わせたカクテルです。一般的に、氷を入れたグラスにジンを注ぎ、それにトニックウォーターを加えて軽くかき混ぜます。トニックウォーターは、キニーネと呼ばれる苦味成分を含む炭酸水で、ジンの爽やかな香りとキニーネの苦味が絶妙に調和し、爽快でリフレッシュする味わいが特徴です。レモンやライムの輪切りを飾ることもあります。ジントニックは、世界中で広く親しまれる人気のあるカクテル。

ジントニックが世界的に人気を博したのは第二次世界大戦後であり、このカクテルは現在のスタンダードとして広く知られています。ジントニックの普及には、トニックウォーターの誕生が大きく貢献しました。トニックウォーターは、キニーネと呼ばれる成分が含まれる炭酸水で、解熱や鎮痛、抗マラリアの効果があるとされ、植民地で活動するヨーロッパ人にとって貴重な薬として使われていました。キニーネは強い苦味があり、そのままでは飲みづらかったため、ワインやシェリー酒に混ぜて摂取されていました。

1820年ごろ、インドに駐留していたイギリス軍は、ジンとトニックウォーターを混ぜて飲むことで、ジンの風味が引き立ち美味しくなることに気付きました。この組み合わせが、ジントニックの原型となりました。1857年には、市販のトニックウォーターが登場し、ジントニックが一般に広まっていきました。