スコッチウイスキーの種類が豊富なオーセンティックバー|タムデュー12年を銀座で飲むならBARWHITEOAK

タムデュー蒸留所（Tamdhul Distillery）とは？
■ 概要と設立
創業年：1897年
場所：スコットランド・スペイサイド、アベラワーとクラックに挟まれた小さな町・ノッカンドゥ近郊
設立者：株主組合「アソシエーテッド・ディスティラーズ・リミテッド」
名前の意味：「タムデュー（Tamdhul）」はゲール語で「小さな黒い丘（Little Dark Hill）」を意味します。
1897年はいわゆる「ウイスキーブーム」の絶頂期。ちょうどヴィクトリア朝の好景気と重なり、多くの蒸留所が新設されましたが、その多くは20世紀の不況で姿を消しました。そんな中、タムデューは幾度の閉鎖や所有者変更を経ながらも、現代までその火を絶やさずに存続している“復活劇”を持つ蒸留所です。
歴史の転機と再始動
1970年代〜80年代：ブレンデッド用原酒として生産され続け、「フェイマスグラウス」「ジェイムソン」「J&B」などに供給
1999年：ハイランドディスティラーズにより閉鎖
2011年：インディペンデントのアイアンブリュ（炭酸飲料）で知られるイアン・マクロード・ディスティラーズ社が買収
2012年：完全な再稼働を果たし、シェリー樽熟成への特化を宣言
2013年：フラッグシップとなる「タムデュー10年」が新ラベルで登場
タムデューの特徴
■ ① シェリー樽への徹底的なこだわり
タムデュー最大の特徴は、**“すべての熟成にファーストフィルおよびリフィルのオロロソシェリー樽を使用する”**というこだわり。これは世界的にも極めて珍しい方針です。
マッカランのような高級感あるシェリー由来の甘やかな香味
かつてのグレンファークラスを思わせるクラシカルな構成
トフィー、レーズン、オレンジピール、ダークチョコといった重層的な香味構造
このスタイルにより、タムデューは「熟成感に優れるシェリー系モルトの王道」として再評価され始めています。
■ ② 熟練工による木製発酵槽・伝統製法の維持
発酵にはオレゴンパイン製のウォッシュバックを使用。
蒸留器は伝統的なランタン型ポットスチル（再溜器は背が高い）。
ろ過も冷却濾過を行わず、ナチュラルカラー（無着色）でボトリング。
大量生産ではなく、あくまで丁寧なクラフトとしてウイスキーを仕上げる精神が息づいています。

基本情報
蒸溜所：タムデュー蒸溜所（Tamdhul Distillery）
地域：スペイサイド（Speyside）
熟成年数：12年
アルコール度数：43％
樽の種類：ファーストフィル＆リフィル・オロロソシェリー樽100％
カラー：ナチュラルカラー（無着色）
冷却濾過：非使用（ノンチルフィルター）
特徴と魅力
■ 1. シェリー樽100％熟成のリッチな香味
タムデュー12年は、すべての熟成にオロロソシェリー樽を使用。マッカランやグレンファークラスと同じく“シェリー樽ウイスキーの王道”を行くスタイルですが、こちらはあくまで伝統的かつ誠実なつくりが持ち味。
香り：ドライレーズン、イチジク、オレンジピール、焙煎したナッツ、リッチなカカオやトフィー
味わい：とろりとした口当たり。ダークチョコ、シナモン、ジンジャー、熟したプラム。時間とともにミルクティーやキャラメルの柔らかな甘さが立ち上がる。
フィニッシュ：スパイシーな余韻に続き、ビターオークとほんのりした甘みが長く続く。
このリッチな香味バランスが、ウイスキー通をうならせるポイント。特にレーズンと紅茶、ナッツの複合感が非常に美しいです。
■ 2. マッカランの対抗馬？コスパの良さで圧倒
同じくシェリー樽熟成で知られる「ザ・マッカラン 12年 シェリーオーク」が1万円超えとなっている中、タムデュー12年は6,000円前後（2025年現在・楽天等）で購入可能。香味の濃さと造りの丁寧さを考えると、驚くべき価格設定です。
ブレンデッド用途が長かった背景もあり、知名度に比して価格が抑えられている“穴場的存在”と言えるでしょう。
■ 3. パッケージ・ボトルデザインもクラシック
ボトルは19世紀の薬瓶を思わせるレトロクラシックなフォルム。背の高い円柱型の筒箱に入っており、贈答用にもぴったりです。ラベルには「SPEYSIDE SINGLE MALT」と明記され、伝統と格調を感じさせます。
こんな方におすすめ
シェリー樽熟成のモルトが好きな方（特にマッカラン・グレンファークラス派）
香味の濃いモルトをリーズナブルに楽しみたい方
甘さ・スパイス・ビターのバランスが取れた飲みごたえを求める方
初めてシェリー樽モルトに挑戦する初心者～中級者