アメリカン ライウイスキーとは？ウイスキーの種類が豊富な銀座のバー｜BARWHITEOAK

アメリカンライウイスキー（American Rye Whiskey）は、アメリカで製造されるライウイスキーの一種で、以下の特徴があります。
定義と規定
原料:
ライウイスキーは、ライ麦を原料として製造されます。具体的には、ライ麦が原料の51％以上を占める必要があります。残りの成分は、トウモロコシや大麦麦芽などで補います。
蒸留:
アルコール度数は160プルーフ（80％）以下で蒸留されなければなりません。これにより、ウイスキーの風味が保たれます。
樽:
内側を焦がした新しいオーク樽で熟成させます。熟成が進むことで、ウイスキーに特有の風味が加わります。
熟成:
ライウイスキーの熟成に関する最低限の期間は規定されていませんが、一般的には数年以上の熟成が行われます。
ボトリング:
ボトリング時のアルコール度数は80プルーフ（40％）以上でなければなりません。また、ボトリング時には水以外の添加物を加えてはいけません。
特徴
風味:
ライウイスキーは、ライ麦由来のスパイシーさやペッパリーな風味が特徴です。トウモロコシが多いバーボンとは異なり、よりドライで複雑な風味が感じられます。
歴史:
ライウイスキーの製造は、17世紀の移民によるスコットランドやアイルランドからの技術が起源とされています。アメリカの初期の植民地時代に広まり、特にペンシルベニア州やメリーランド州で人気がありました。

ライ麦（Rye）は、穀物の一種で、主に以下のような特徴があります：
特徴
植物学的特性:
ライ麦は、イネ科の穀物で、学名は Secale cereale です。寒冷地での栽培に適しており、比較的低温でも育ちます。
外観:
ライ麦の穂は、長く伸びた穂先に小さな種子をつけており、色は青緑から茶褐色まで様々です。種子は細長く、やや小さめです。
味わい:
ライ麦は、独特のスパイシーさとわずかに苦味を持ち、これがライウイスキーやライパンに特有の風味を与えます。
栄養価:
ライ麦は、繊維質が豊富で、ビタミンB群、鉄分、マグネシウムなどのミネラルも含まれています。全粒粉として摂取することで、健康に良いとされています。
使用方法
ウイスキー:
ライウイスキーは、ライ麦を51％以上含むことで特有のスパイシーな風味が特徴です。ウイスキーにおいては、トウモロコシや大麦麦芽と混合して使われます。
パンや製品:
ライ麦粉は、ライパン（ライ麦を主成分としたパン）やクラッカーなどの製品に使用されます。ライパンは、豊かな風味としっかりとした食感が特徴です。
ビール:
ライ麦は、ビールの原料としても使われることがあります。ライ麦を使うことで、ビールに特有の香ばしさや複雑な風味を加えます。
栽培と歴史
栽培:
主に寒冷地で栽培され、ヨーロッパや北米の冷涼な地域でよく見られます。乾燥や寒さに強く、厳しい気候条件でも育つため、歴史的に貴重な作物となっています。
歴史:
ライ麦は古代から栽培されており、特にヨーロッパで重要な穀物とされてきました。中世ヨーロッパでは、ライ麦は主食として広く消費されていました。
ライ麦は、風味や食感に独特な特徴を持ち、ウイスキーやパン、ビールなどさまざまな食品や飲料に利用されています。

ライ・ウイスキーの歴史は、ドイツ系移民がライ麦栽培を盛んに行ったペンシルベニア州南部に始まります。独立戦争後、スコットランド・アイルランド系移民が加わり、アメリカ北東部、特にペンシルベニア州とメリーランド州で生産が広まりました。しかし、禁酒法後にはカナディアン・ウイスキーに代表される淡泊なウイスキーが好まれるようになり、ライ・ウイスキーは衰退しました。多くの蒸留所がペンシルベニア州やメリーランド州からケンタッキー州に移転しましたが、ライ・ウイスキーの生産者は減少しました。

1996年にサンフランシスコのアンカー醸造所が「アンカー蒸留所」としてオールド・ポトレロ・シングルモルトウイスキーを発表し、アメリカでは数少ないシングルモルトライ・ウイスキーとなりました。また、ジム・ビームやオースティン・ニコルズなどもライ・ウイスキーを製造しており、オースティン・ニコルズは「ワイルド・ターキー」ブランドで知られています。他にもオールドオーバーホルトやヴァン・ウィンクル・ファミリーリザーブ、リッテンハウスなどがライ・ウイスキーの主要ブランドです。