アメリカン コーンウイスキーとは？ウイスキーの種類が豊富な銀座のバー|BARWHITEOAK

アメリカンコーンウイスキー（American Corn Whiskey）は、アメリカで生産されるウイスキーの一種で、主にトウモロコシを原料としています。コーンウイスキーは、アメリカのウイスキー文化において重要な役割を果たしており、他のアメリカンウイスキーとは異なる独自の製造方法と特徴を持っています。
特徴と定義
原料:
コーンウイスキーは、トウモロコシを80％以上使用して製造されます。残りの原料は、大麦麦芽やライ麦、小麦などが使われることがありますが、トウモロコシが主成分です。
蒸留:
蒸留は160プルーフ（80％）以下のアルコール度数で行われ、これによりウイスキーの風味と香りが保たれます。
熟成:
コーンウイスキーの大きな特徴は、熟成の際に新しいオーク樽の使用が義務付けられていない点です。通常のウイスキーは新しい焦がしオーク樽で熟成させますが、コーンウイスキーは使用済みのオーク樽、またはまったく熟成させないこともあります。これにより、他のウイスキーに比べて軽やかな風味が得られます。
ボトリング:
ボトリング時には、アルコール度数80プルーフ（40％）以上で瓶詰めされます。水以外の添加物は加えられません。
歴史と背景
起源:
コーンウイスキーは、アメリカの初期開拓者たちが豊富に育てていたトウモロコシを利用して作り始めたウイスキーです。バーボンウイスキーの前身ともいえる存在で、トウモロコシを主原料とする伝統的なアメリカのウイスキーです。
法律と規制:
連邦アルコール法によって、コーンウイスキーの製造に関する規定が定められており、その製造方法や原料の比率が厳密に管理されています。これにより、バーボンやライウイスキーとは異なるユニークなカテゴリーとして確立されています。
禁酒法の影響:
禁酒法時代（1920-1933年）には、多くのウイスキー生産が停止されましたが、密造酒としてコーンウイスキーが作られることもありました。禁酒法後、他のウイスキーが復活する中で、コーンウイスキーも再び市場に登場しました。
風味と飲み方
風味:
コーンウイスキーは、トウモロコシの自然な甘さが特徴で、他のウイスキーに比べて軽やかでスムースな口当たりです。樽の影響が少ないため、素材そのものの味わいが前面に出ます。
飲み方:
コーンウイスキーは、ストレートやオン・ザ・ロックで楽しむほか、カクテルベースとしても利用されます。軽やかな味わいを生かしたカクテルに適しており、トウモロコシ由来の甘さが他の材料と調和しやすいです。

コーン・ウイスキーは熟成させる義務がなく、そのまま出荷されると無色透明です。熟成させる場合は、焼き焦がしをしていない新品のオーク樽か中古の樽を使用し、通常は6ヶ月程度熟成させますが、長期間熟成させることもあります。コーン・ウイスキーとバーボン・ウイスキーは共にトウモロコシを主原料としていますが、バーボンはトウモロコシの使用比率が51％以上79.99％までであるのに対し、コーン・ウイスキーは80％以上を使用します。また、コーン・ウイスキーを内側を焦がした新しい樽で熟成させると、バーボンとみなされます。

コーンウイスキーとバーボンウイスキーは、原料のトウモロコシの比率で区別されます。バーボンウイスキーはトウモロコシを主原料とするため、広義ではコーンウイスキーの一種といえますが、アメリカの法律では両者は明確に区別されています。

バーボンウイスキーの定義
バーボンウイスキーは以下の条件を満たす必要があります。
原料の51％以上がトウモロコシであること。
アルコール度数80％以下で蒸留されること。
内側を焦がした新しいオーク樽で熟成されること。
コーンウイスキーとバーボンウイスキーの味わいの違い
コーンウイスキーは、通常ほとんど熟成されないため、荒々しいアルコール感が特徴で、その後に甘いトウモロコシの風味が残ります。一方、バーボンウイスキーは新しいオーク樽で熟成されることで、より奥深い味わいを持ちます。近年では、樽でじっくりと熟成させた、やさしい風味のコーンウイスキーも登場しています。

トウモロコシ（コーン）は、穀物の一種で、世界中で広く栽培されている主要な農作物です。栄養価が高く、多用途に利用されるため、食糧としても飼料としても重要な役割を果たしています。

起源と歴史
トウモロコシは、約9,000年前にメソアメリカ（現在のメキシコ周辺）で野生種から栽培化されたとされています。アステカやマヤなどの古代文明では、トウモロコシが主食として利用され、その文化の中心的な存在でした。コロンブスの新大陸発見後、トウモロコシはヨーロッパ、アフリカ、アジアに広まり、世界中で栽培されるようになりました。

栽培と品種
トウモロコシは温暖な気候を好む作物で、さまざまな土壌条件に適応します。主要な品種には、デントコーン（飼料用、加工用）、スイートコーン（食用）、ポップコーン（加熱して食べるもの）、フリントコーン（硬い外皮を持ち、粉に加工されることが多い）などがあります。

利用用途
トウモロコシは、多岐にわたる用途があります。

食用: 新鮮なスイートコーン、コーンミール、トルティーヤ、コーンフレーク、ポップコーンなど、多くの食品の原料として使用されます。
飼料: 家畜の飼料として広く利用されており、特に牛、豚、鶏の飼料として重要です。
産業用: トウモロコシからはバイオエタノール（燃料用アルコール）、デンプン、コーンシロップ、バイオプラスチックなどが生産され、産業用途でも大きな役割を果たしています。
ウイスキーの原料: トウモロコシはウイスキーの主要な原料でもあり、特にアメリカンコーンウイスキーやバーボンウイスキーの製造に欠かせません。
栄養価
トウモロコシは、炭水化物を豊富に含み、エネルギー源として優れています。ビタミンB群、特にビタミンB1（チアミン）やビタミンB9（葉酸）、および食物繊維も含んでいます。抗酸化物質であるカロテノイドも豊富で、特に黄色い粒のトウモロコシにはルテインやゼアキサンチンが多く含まれ、目の健康に良いとされています。

結論
トウモロコシは、栄養豊富で多用途にわたる重要な作物です。食用、飼料、産業用途において世界中で広く利用されており、特にアメリカではウイスキーの原料としても欠かせない存在です。