ウイスキーのアロマについて｜ウイスキーの種類が豊富な銀座のバー【BARWHITEOAK】

ウイスキーのアロマ（香り）は、その原料、製造工程、熟成環境、樽の種類などが複雑に関与することで多層的かつ多様になります。以下では、専門的な観点からウイスキーのアロマを分類・解説します。

🔬 ウイスキーのアロマを読み解く基礎
ウイスキーの香りを語るには、「官能評価（Sensory Evaluation）」の知識が不可欠です。香りは嗅上皮（鼻の奥）で検知される揮発性化合物の集合体であり、その多くはエステル、フェノール類、アルデヒド、ラクトン、テルペンなどの化学成分に由来します。
🧭 アロマの主要分類
ウイスキーのアロマは大別すると、以下のようなカテゴリーに分類されます：
1. フルーティ（Fruity）
由来：発酵由来のエステル類（酢酸イソアミル、酢酸エチルなど）
例：
青リンゴ（若いスコッチ、ローランド系）
洋梨（スペイサイド系、グレンフィディック）
ドライフルーツ（長期熟成品、シェリー樽原酒）
柑橘（バーボンバレル熟成）
2. フローラル（Floral）
由来：軽やかなエステル類やテルペノイド
例：
ラベンダー、バラ（軽めのスペイサイド）
ハチミツや蜜（グレンリベットなど）
3. スパイシー（Spicy）
由来：熟成に使われるオーク樽（特に新樽やバーボン樽）、原酒のニューポット由来のフェノール類
例：
黒コショウ、クローブ（ライウイスキー、オーク由来）
シナモン、ナツメグ（シェリー樽熟成）
4. スモーキー／ピーティ（Smoky/Peaty）
由来：ピートを焚いて乾燥させた麦芽（フェノール系化合物）
例：
ヨード、消毒液（アイラモルト、ラフロイグなど）
焚き火、炭、タール（アードベッグ、ラガヴーリン）
5. ウッディ／オーク（Woody/Oaky）
由来：樽から抽出されたラクトン、タンニン、ヴァニリンなど
例：
バニラ（アメリカンホワイトオーク）
トーストした木、ココナッツ（焼き入れ樽）
6. ナッティ／モルティ（Nutty/Malty）
由来：製麦時の乾燥温度、蒸留時の還元反応
例：
アーモンド、ヘーゼルナッツ（モルト系原酒）
ビスケット、トースト（シングルモルト）
7. シェリー／ワイン系（Sherried/Winy）
由来：シェリー樽やワイン樽の影響
例：
レーズン、プルーン、フィグ（オロロソ樽）
バルサミコ、トフィー（PX樽）
8. ミネラル／ソルティ（Mineral/Salty）
由来：蒸溜所のロケーションや熟成環境
例：
塩気、湿った石、海藻（沿岸系蒸溜所、カリラなど）
9. その他（Other）
例：
硫黄（不適切なシェリー樽や還元的熟成）
チョコレート、コーヒー（長期熟成、焼き強めの樽）
メディシナル（フェノール類）

🧪 アロマと熟成の関係

熟成期間が長くなるほど、以下のような変化が生じます：

🧭 プロフェッショナルのテイスティングアプローチ

• 第一鼻（First Nose）：グラスに注いだ直後の香り

• 第二鼻（Second Nose）：数分後の開いた香り

• 加水後：揮発性成分の変化、隠れた香りの開放

🧩 香りの分析に役立つ用語集（抜粋）

ウイスキーのテイスティングで使われる主な言葉一覧

【香り（Aroma / Nose）】

【味わい（Palate / Taste）】

【フィニッシュ（余韻 / Finish）】

【テクスチャ（口当たり / Mouthfeel）】

【全体的な表現】