ウイスキーの種類が豊富なオーセンティックバー|ロイヤルブラックラ12年を銀座で飲むならBARWHITEOAK

ロイヤル・ブラックラ蒸溜所の解説

1. 概要と歴史
ロイヤル・ブラックラ蒸溜所は、スコットランドのハイランド地方にある歴史ある蒸溜所です。1812年にフレイザー伯爵（ウィリアム・フレイザー大尉）によって設立され、1835年にはウィリアム4世から「ロイヤル」の称号を授かりました。これはスコッチウイスキーの蒸溜所として初めて王室御用達となった証であり、その後もヴィクトリア女王やエドワード7世など、英国王室に愛されてきました。
現在はバカルディ社が所有し、デュワーズ（Dewar’s）のブレンデッドウイスキーに使用されるキーモルトの一つとしても重要な役割を果たしています。

2. 立地と環境
ロイヤル・ブラックラ蒸溜所は、スコットランド北部ハイランド地方のカウドール近郊に位置します。このエリアは温暖な気候と適度な湿度が特徴で、ウイスキー造りに適した環境が整っています。仕込み水には、キャルダー川（ナーン川の支流）の清らかな水を使用。この水がロイヤル・ブラックラのなめらかでバランスの取れた味わいに貢献しています。

3. 製法と特徴
ロイヤル・ブラックラのウイスキーは、独自の製法によって芳醇な風味を生み出しています。

発酵
通常より長めの発酵時間を採用することで、果実のような華やかな香りやフローラルなニュアンスを引き出しています。
蒸溜
伝統的なポットスチルを使った二回蒸溜を行い、スチルはやや背の高い形状。この設計がスピリッツをクリアでエレガントな仕上がりにしています。
冷却
ワームタブ（蛇管式冷却器）は使わず、コンデンサー式を採用。これにより、スピリッツの質感がスムーズで雑味のない味わいになります。
熟成
伝統的にシェリー樽を多く使用しており、特にオロロソ・シェリー樽熟成によるドライフルーツやスパイスの風味が際立ちます。

4. 味わいとブレンデッドウイスキーへの影響
ロイヤル・ブラックラのシングルモルトは、シェリー樽由来のフルーティーさや甘みが際立つ華やかなスタイル。バニラや焼きリンゴ、トフィー、スパイスのニュアンスが特徴で、ミディアムボディの口当たりと適度なオイリーさが楽しめます。
この蒸溜所の原酒はブレンデッドウイスキーにも欠かせない存在で、特にデュワーズのブレンドでは、フルーティーでリッチなキャラクターを加える重要な役割を果たしています。

5. 近年の動向
かつてはブレンデッドウイスキー用の原酒としての役割が中心でしたが、近年はシングルモルトとしての展開も強化されています。バカルディ社の方針として、デュワーズ傘下の蒸溜所（アバフェルディ、クライゲラキ、オルトモア、ロイヤル・ブラックラなど）をシングルモルト市場に積極的に展開。その中でも、ロイヤル・ブラックラはシェリー樽熟成を強調したシリーズが注目を集めています。

王室御用達の伝統を受け継ぎつつ、現代のウイスキー愛好家に向けた洗練された味わいを提供するロイヤル・ブラックラ。シェリー樽の芳醇な個性を存分に楽しめる一本として、今後ますます注目される存在となりそうです。

ロイヤル・ブラックラ12年

生産者 ロイヤル・ブラックラ蒸留所
生産地 イギリス/スコットランド
タイプ シングルモルトウイスキー
原材料 モルト
度数 46％

ロイヤル・ブラックラ12年は、アメリカンオーク樽で熟成した後、オロロソ・シェリー樽でフィニッシュされます。この二段階の熟成によって、シェリー樽由来のフルーティーでリッチな風味と、アメリカンオーク由来のバニラやオークの甘やかさが絶妙に調和した味わいに仕上がっています。
また、ノンチルフィルター（冷却濾過なし）でボトリングされているため、ウイスキー本来の豊かな風味とオイリーな質感を楽しむことができます。

テイスティングノート
香り：ブラックベリー、ストロベリー、ドライフルーツ、キャラメルビスケット、オーク
味わい：バニラ、焼きリンゴ、トフィー、アーモンド、スパイス
フィニッシュ：スムースでエレガント、ほのかなタンニンと心地よい甘みが続く
シェリー樽の影響をしっかり感じられる一方で、過度にクセのある甘さではなく、ほどよいバランスを保っているのが特徴です。