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ロックランザ蒸留所（Lochranza Distillery）は、スコットランド・アラン島の北部に位置する蒸留所で、1995年の創業から2020年頃まで「アラン蒸留所（Arran Distillery）」の名で知られていたウイスキーの名門です。
現在では、アラン島南部に開設された姉妹蒸留所「ラグ蒸留所（Lagg Distillery）」とのブランド区別を明確にするため、旧アラン蒸留所はその所在地にちなみ「ロックランザ蒸留所」と呼ばれています。

蒸留所名 ロックランザ蒸留所（旧アラン蒸留所）
所在地 スコットランド・アラン島（ロックランザ村）
創業年 1995年
運営会社 Isle of Arran Distillers Ltd.
水源 ロッホ・ナ・デイヴィ（Loch na Davie）
蒸留スタイル ノンピーテッド〜ライトピートのシングルモルト

【なぜ名前が変わったのか？】
もともと「アラン蒸留所」はアラン島唯一の蒸留所として知られていましたが、2019年に島南部に**「ラグ蒸留所（Lagg Distillery）」**が建設されたことで状況が変わりました。
北部（旧アラン）→ ノンピート系：ロックランザ蒸留所（Lochranza）
南部（新設）→ ピーテッド系：ラグ蒸留所（Lagg）

というように、製品ラインとコンセプトが明確に分かれたことで、2020年以降は北部の旧アラン蒸留所をロックランザ蒸留所として区別する流れが生まれたのです。
※とはいえ、ウイスキーとしての製品名は今も「アラン10年」など“アラン”のブランド名で販売されているため、混同に注意が必要です。

【ロックランザ蒸留所の魅力】
1. クリーン＆フルーティなハウススタイル
ロックランザのウイスキーは、全体的にピートを使用しない（または極めて少ない）ノンピーテッドの造りが中心。
味わいは非常にクリーンで、青リンゴ、洋梨、レモン、バニラ、麦芽の甘さが心地よく、シェリー樽熟成やバーボン樽熟成でそれぞれ異なる個性を楽しめます。

2. 無着色＆ノンチルフィルター
創業当初から一切カラメル着色をせず、冷却濾過も行わないスタイルを貫いており、「自然なウイスキー本来の味わい」にこだわっています。
これはクラフト系蒸留所としての美学でもあり、多くのモルト愛好家から高く評価されています。

3. 独立系蒸留所としての存在感
ロックランザ（アラン蒸留所）は、大手企業傘下ではなく**独立系（インディペンデント）**として創業された数少ない蒸留所の一つ。
蒸留所閉鎖が相次いだ1990年代にあえて新設された背景があり、その挑戦的な姿勢と「スコッチウイスキー復興の象徴」としての評価も高いです。

4. 人気のボトルラインナップ
ボトル名 特徴
アラン10年 リンゴ、麦芽、シトラスが爽やかに広がる定番品。
アラン12年 若干のスパイス感とシェリー樽のコクが加わった濃厚な味わい。
アランバレルリザーブ バーボン樽100%、軽快かつ柔らかな余韻。
アランシェリーカスク ファーストフィルのシェリー樽100%、甘く力強い。
アラン18年 芳醇でまろやか、シルキーな口当たり。熟成の完成形。

5. 観光地としての魅力
ロックランザ蒸留所は、アラン島の美しい自然に囲まれた観光地としても人気です。
鹿が歩き回る自然豊かなロケーション
ビジターセンター併設（ツアー、テイスティングあり）
地元産素材を使ったレストラン併設
アラン島を訪れる観光客にとって、ロックランザ蒸留所は「自然とウイスキーの魅力を同時に楽しめる」絶好のスポットになっています。

「アラン バレルリザーブ（Arran Barrel Reserve）」はバーボン樽100％熟成・ノンチルフィルター・無着色というクラフト志向を色濃く打ち出した一本です。
手頃な価格でアランらしいフルーティな味わいを楽しめることから、初心者から通まで幅広く評価されているボトルです。アラン蒸留所のスタンダードである10年よりも軽快で親しみやすい飲み口を目指して造られています。
特に意識されているのが、「フルーティなアランの素顔をバーボン樽だけで表現する」ということ。
ウイスキーに不慣れな人でも楽しめるよう、重すぎず、でも味が薄すぎない絶妙な設計がなされています。

蒸留所 ロックランザ蒸留所（旧アラン蒸留所）
アルコール度数 43％
熟成樽 ファーストフィル・バーボンバレル 100％
熟成年数 ノンエイジ（推定7～8年程度）

【こんな人におすすめ】
ノンピートで爽やかなシングルモルトが好きな人
甘すぎず軽やかな味わいを探している人
バーボン樽熟成の香りや風味に惹かれる人