【ブレンデッドモルトウイスキーとは？】スコッチやジャパニーズの種類が豊富な銀座のバー｜BARWHITEOAK

ブレンデッドモルトウイスキーは、複数のシングルモルトウイスキーをブレンドして作られるウイスキーの一種です。通常、シングルモルトウイスキーは同じ蒸留所で同じ原料から作られますが、ブレンデッドモルトウイスキーでは、異なる蒸留所のシングルモルトウイスキーが混合されます。これにより、異なる蒸留所での異なる特性や風味を組み合わせ、より複雑でバランスの取れた味わいを生み出すことができます。ブレンデッドモルトウイスキーは、シングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの中間のような位置づけであり、ウイスキーの愛好家にとって魅力的な選択肢の一つです。

モルトウイスキーとは？
モルトウイスキーは、大麦を原料として蒸留したウイスキーの一種です。一般的に、モルトウイスキーは単一の蒸留所で一貫して製造され、大麦を原料として、麦芽を作り、醸造し、蒸留します。その後、樽で数年以上熟成させます。モルトウイスキーは、その独特の風味と個性があり、蒸留所の特徴や地域の影響を反映しています。よく知られているスコットランドのスコッチウイスキーや、アイルランドのアイリッシュウイスキーがモルトウイスキーの代表的な例です。

ブレンデッドモルトウイスキーは複数の蒸留所のモルトウイスキーを組み合わせるが故に、広義の意味で「ピュアモルトウイスキー」に該当します。

かつては「ヴァッテッドモルトウイスキー」と呼ばれていましたが、現在では「ブレンデッドモルトウイスキー」という用語が一般的です。このタイプのウイスキーは、シングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの中間に位置し、個性的でありながらも飲みやすいバランスの良さが特徴です。それぞれの蒸留所の特徴や風味を組み合わせることで、ブレンダーによって独創的なブレンドが生み出されます。価格的にも、シングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの中間に位置することが多いです。

ビッグピート: アイラモルトのみで構成され、アードベッグ、カリラ、ボウモア、ポートエレンの4つの蒸留所のモルトを使用。スモーキーでありながらも優しい甘さも感じられます。

ネイキッドグラウス: キーモルトにハイランドパークやマッカランを使用し、1stフィルのシェリー樽で熟成。甘美で豊かな味わいがあります。

デイドリーム ブレンデッドモルト: 長期熟成のウイスキーでありながら、手頃な価格帯のブレンデッドモルト。トロピカルなフルーツ感が楽しめます。

トンプソンブラザーズ: ファーストフィルバレルやリフィルホグスヘッドで熟成されたウイスキー。華やかでフレッシュな味わいがあります。

アートワーク ブレンデッドモルト: 芸術的なラベルと共にリリースされるブレンデッドモルト。香りは現代風で、味わいはオールドボトルチックな雰囲気です。

コンパスボックス: 使用されるシングルモルトのレシピが公開される、ハイグレードのブレンデッドモルト。オーチャードハウスは特に人気があります。

ブラックアダー キメラ: ロウカスクならではのパワフルな味わいが特徴で、ダークチョコレートのようなほろ苦さやリンゴ・洋ナシのフルーティーさが感じられます。

モスバーン スペイサイド ブレンデッドモルト: オランダのボトラーズ会社「モスバーンディスティラーズ」からリリースされるブレンデッドモルト。オロロソシェリーバットとバージンアメリカンオーク樽で熟成され、豊かな香りと味わいが楽しめます。

ジョニーウォーカーのグリーンラベル15年

ウイスキー愛好家の間で「ジョニ緑」として親しまれ、15年以上の原酒を使用しています。このブレンドは、モルト原酒のみを使用し、キーモルトが見事にバランス良くブレンドされています。フルーティーさの中に爽やかなピートの風味があり、シングルモルトのような飲み応えがあります。また、一部のウイスキーファンの間では「白州に似ている」との声も聞かれますが、その真相はご自身で確かめてみるのも良いかもしれません。

ロックアイランド

ダグラスレインがリリースしているブレンデッドモルトウイスキーで、スコットランドの島々にある蒸溜所のモルトウイスキーをブレンドしています。オークニー諸島、アラン島、アイラ島、ジュラ島の原酒で構成され、スモーキーでソルティーな風味が特徴です。ハイボールにするとハチミツのような甘い香りとヘザーピート、スパイシーさを感じられ、飽きのこない個性的な風味を楽しむことができます。

モンキーショルダー

ウィリアム・グラント＆サンズ社がリリースしているトリプルヴァッテッドモルトウイスキーで、グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィの原酒をブレンドしています。クセが少なくやわらかい味わいで、フルーティーさと麦芽の芳ばしさが特徴です。製麦を行う職人が抱えている「職業病」をモチーフにした名前であり、フロアモルティングという伝統的な製法を取り入れたウイスキーです。

ニッカ・セッション

ニッカウヰスキーが発売したワールド・ブレンデッドモルトウイスキーで、ベンネヴィス、余市、宮城峡などがブレンドされています。爽やかでライトボディな味わいで、クセが少なく飲みやすいバランスです。ストレートよりもハイボールや水割りで楽しむことをおすすめします。

スカリーワグ

ダグラスレイン社がリリースするスペイサイドの原酒をキーモルトにしたブレンデッドモルトウイスキーで、マッカラン、グレンロセス、モートラックのシェリー樽で熟成した原酒が使用されています。オロロソシェリー原酒の甘やかさと、クセのないソフトな飲み口が特徴で、モルトウイスキーの個性が見事に融合しています。

イチローズモルトミズナラウッドリザーブ

羽生蒸留所の原酒をキーモルトにして、他の蒸留所のモルト原酒をヴァッティングします。その後、ミズナラ・リザーブ・ヴァットで再熟成させられます。具体的な蒸留所は非公開ですが、ピートの強い原酒を選出し、秩父蒸留所でブレンドされます。ピーテッド・モルト特有のスイートさやフルーティーさが感じられ、奥深い複雑な味わいとピート香が口の中に広がります。また、ノンチルフィルターで、人工的な着色を行わないノンカラーで造られ、自然の風味を大切にしています。

ピュアモルトってなに？

ピュアモルトは、ウイスキーの一種であり、異なるシングルモルトを混ぜ合わせて作られます。しかし、この用語は日本でのみ使用されており、海外ではブレンデッドモルトやヴァッテッドモルトと呼ばれます。この違いは、日本と海外でのウイスキー製造プロセスへの異なるアプローチに起因しています。

日本では、シングルモルトには高い評価が与えられています。そのため、他のウイスキーとの区別を明確にするために、混合されたウイスキーでも100％モルト原酒であることを強調する必要がありました。このため、ブレンデッドウイスキーとは異なる存在として、「ピュアモルト」という用語が生まれました。

一方、海外では、ブレンデッドウイスキーが一般的であり、シングルモルトとは区別されるため、混合されたウイスキーに対する特別な用語は必要ありません。そのため、異なる混合ウイスキーを指すために「ブレンデッドモルト」や「ヴァッテッドモルト」という用語が使用されます。

このように、ピュアモルトは日本のウイスキー文化とその評価基準に根ざしており、ブレンデッドウイスキーとは異なる意味を持ちます。