スコットランドの都市アバディーンとは？｜ウイスキーの種類が豊富な銀座のバー【BARWHITEOAK】

アバディーンはスコットランド北東部に位置する港湾都市であり、「グラナイト・シティ（Granite City）」という異名を持つ、スコットランド第三の都市です。地理的には、ディー川（River Dee）とドン川（River Don）に挟まれた場所にあり、北海に面しています。
🧭 地理的特徴
位置：スコットランド北東海岸、エディンバラから約150km北
気候：海洋性気候。冬は比較的穏やかで、夏は涼しい。霧や曇天が多い。
地質：花崗岩（グラナイト）の採掘で知られ、街の建造物の多くが銀灰色の石で造られている
　→ これが「グラナイト・シティ」の由来。
🏛 歴史的背景
中世：12世紀には王室のチャーターを受け都市として発展。ハンザ同盟との交易も活発。
産業革命以降：漁業・造船・製紙などが発達。
20世紀後半以降：北海油田の開発により「ヨーロッパの石油首都（Oil Capital of Europe）」と呼ばれるまでに成長。
🛢 主な産業
石油・ガス：
BPやシェルなど国際企業の拠点が多く、北海油田の中心基地。
石油関連サービス、海洋エンジニアリングの技術力が高い。
漁業・港湾物流：
アバディーン港はスコットランド屈指の商業港。
白身魚（タラ、ハドック）やサーモンなど水産資源の輸出拠点。
教育・研究：
アバディーン大学（1495年創設）はスコットランドでも有数の伝統校。
医学、地質学、エネルギー工学で評価が高い。
🎨 文化・建築・観光
建築物：
マーシャル・カレッジ：グラナイト造りの象徴的建築。
セント・マカール大聖堂：15世紀建立、ゴシック様式。
美術館・博物館：
アバディーン美術館、海事博物館など。
イベント：
アバディーン国際ユースフェスティバルなど、文化交流も活発。

地域的背景
アバディーン自体は大規模な蒸溜所を持つ都市ではありませんが、以下の点でウイスキー文化と深く関係しています：
スペイサイドへの玄関口：アバディーンから西へ向かうと、世界的に有名なウイスキー産地「スペイサイド（Speyside）」があります。グレンリベット、マッカラン、グレンフィディックなどの蒸溜所が集積する地域への主要な起点。
物流拠点：かつてはウイスキーの輸出や熟成原酒の移送において港湾都市として重要な役割を担っていました。
教育・研究：アバディーン大学には食品化学、醸造・蒸留科学の研究機関があり、蒸溜技術の発展にも寄与。

ウイスキー観光の拠点としての価値
アバディーン空港からはスペイサイドやハイランド各地の蒸溜所へアクセスしやすく、「ウイスキールートの東の起点」として機能。
ツアー会社も多く、スペイサイドの蒸溜所巡りの出発点として人気。

アバディーンのウイスキー蒸溜所事情

アバディーン市内には現在蒸留所はありません。かつてはブレンドメーカーであるジェームズ・カトー社、ゴードン・グラハム社などが存在し、特にゴードン・グラハム社はブラックボトル・ブレンドで有名でした. 現在は、アバディーンには蒸留所がない状況です.

しかし、アバディーンはスペイサイドやハイランドの玄関口として重要な位置を占めており、周辺には歴史ある蒸溜所が点在しています。以下に、特に注目すべき蒸溜所を紹介します。

① グレンギリー蒸溜所（Glengarioch Distillery）
所在地：オールドメルドラム（Oldmeldrum）
アバディーンから車で約30分（約30km）
創業年：1797年
スコットランドでも最古級の蒸溜所の一つ
現所有者：ビーム・サントリー（Beam Suntory）
スタイル：
ノンピートまたはライトピートのハイランドモルト
特徴はナッティ（ナッツ様）、ハチミツ、ドライフルーツ、スパイスのバランス
見学：見学ツアーあり（要予約）
特徴：
19世紀にはアバディーン港経由で出荷されていた
蒸溜器は伝統的な形状を維持し、小規模ながら複雑な酒質を生む

② フィッターケアン蒸溜所（Fettercairn Distillery）
所在地：アバディーンから南西約50km、カーナウス山の麓の村
創業年：1824年
所有者：Whyte & Mackay（エンペラドール社傘下）
スタイル：
クリーンでエレガントなスタイル、加水による冷却リングという独自装置で冷却されたネックが特徴
トロピカルフルーツ、スパイス、焦がしキャラメル系
見学：見学可能
特徴：
蒸溜器の冷却方法が独特で、非常に軽やかでフルーティーな酒質を実現