【モルト（大麦麦芽）」の解説】ウイスキーの種類が豊富な銀座のバー｜BARWHITEOAK

モルトは、麦芽とも呼ばれる大麦の穀粒を発芽させ、それを乾燥させて得られる製品です。モルトは、ビールやウイスキーなどのアルコール飲料の製造において重要な役割を果たします。大麦を水に浸して発芽させると、麦芽化という過程が始まります。これにより、穀粒の中のデンプンが麦芽酵素によって糖に変わります。その後、麦芽は乾燥され、さまざまな麦芽の色や風味が得られるように焙煎されます。これにより、異なるタイプのビールやウイスキーを作るためのベースとなる素材が得られます。

「モルティング」とは、モルトウイスキーを含むウイスキーの製造過程において重要な工程のひとつです。この工程では、大麦が発芽し、その後乾燥される過程を指します。大麦が発芽することで、糖化酵素が生成され、デンプンが糖に変化します。これにより、後の発酵プロセスでアルコールが生成される準備が整います。モルティングは、ウイスキーの風味や品質に影響を与える重要な段階です。

モルトウイスキーの製造には、通常、100％の大麦麦芽（モルト）が使用されます。麦芽は、収穫された大麦を発芽させ、その後乾燥させることで作られます。この工程は製麦（モルティング）と呼ばれ、現在ではほとんどの蒸留所が専門の製麦業者（モルトスター）に製造を委託しています。もちろん、一部の蒸留所では自社でフロアモルティングなどの方法で麦芽を製造することもありますが、全量を自社でまかなうのは設備や人手、コストの問題から現実的ではありません。そのため、モルトを購入し、ウイスキーの製造に使用することが一般的です。モルトの選択は、ウイスキーの蒸留所のスタイルを決定するため、非常に重要です。

モルトを使用して造るウイスキー「モルトウイスキー」には、大きく２種類に分けられます。「シングルモルト」と「ピュアモルト」です。

シングルモルトは一つの蒸留所で作られた原酒のみを使用し、その蒸留所の個性が強く現れるウイスキーです。熟成は一つのカスクから行われる場合がありますが、複数のカスクの原酒をブレンドして作ることもあります。

ピュアモルトはモルトのみを原材料にして製造されたウイスキーであり、他の穀物を含まない純粋なモルトです。スコットランドの場合、モルトウイスキーは原材料としてモルトを100%使用している必要がありますが、他の国のウイスキーの場合は異なる条件が適用されている場合もあります。

基本的にはモルトのみで造られていることから「ピュアモルト」と呼ばれています。

また、かつてはブレンデッドウイスキーがウイスキー市場で圧倒的なシェアを獲得していたことから、モルトウイスキーはマイナーな存在でした。そういった背景もあって、ピュアモルトはブレンデッドウイスキーと区別する意味で重要な表記の一つとなっていました。