ウイスキーの種類が豊富なバー|インペリアル 1996-2015 G&Mを銀座で飲むならBARWHITEOAK

ダルメニャック（バルメナック）に位置する第２蒸留所として1897年に建設されたのがインペリアル蒸留所です。この年はヴィクトリア女王の在位60周年であり、ダイヤモンド・ジュビリーの年でもありました。こうした特別な年に因み、蒸留所には「インベリアル（皇帝の）」という名前が冠されました。

しかし、その輝かしい名前とは裏腹に、当時は「ウイスキー不況」が進行しており、わずか3年後の1900年には生産が中止されました。

その後もインペリアル蒸留所は経営の不安定さに悩まされ、何度か閉鎖と再開を繰り返しました。1925年にはDCL社によって吸収合併され、1955年にはDCL社の子会社であるSMD社の傘下に入り、蒸留が再開されました。1965年には4基のポットスチルでの生産が行われ、安定した時代が訪れたかに見えましたが、その後もオーナーが頻繁に変わりました。

最終的には2005年にペルノリカール社が買収し、インペリアル蒸留所は閉鎖されました。現在はその建物は全て解体され、跡地はダルメニック蒸留所として活用されています。

2005年以降も、インペリアルのシングルモルトはオフィシャルやボトラーズからリリースされていましたが、2020年頃から急激に価格が上昇しました。現在ではダルメニャックの他のウイスキーとは異なる「インペリアル」らしさが高く評価され、価格の上昇は避けられない状況となっています。

1895年に創業し、120年以上にわたりシングルモルトの普及に尽力し、モルトワールドの礎を築いてきた老舗のボトラーズ「ゴードン＆マクファイル社（以下GM社）」がリリースしているインペリアル。

GM社が誇る看板商品の一つが、「蒸留所ラベル」。これは各蒸留所との深いつながりから生まれたオリジナルラベルで、蒸留所公認のもとに製造されています。ウイスキーが生まれる瞬間からGM社が用意した樽に詰められ、各蒸留所で熟成を経て、最終的にGM社の倉庫でボトリングの時を待つ独自の品質管理が施されています。

インペリアル蒸留所は操業と休業を繰り返し、2005年に閉鎖され、再開の見通しはたっていません。オフィシャルボトルが入手困難な中、インペリアルと言えばGM社の蒸留所ラベルとして知られています。ただし、最近のGM社のプレゼンテーションでは、蒸留所ラベルのリニューアルが予定されていますが、この銘柄が消える可能性も示唆されています。

香りは熟成した洋梨、花梨、アプリコット、パイナップルキャンディー、キャラメル、オレンジスライス、アニス、ミルクチョコレート、マスクメロン。

甘やかでリッチな香りが非常に強く、香りだけでもこのウイスキーが優れていることが十分に感じ取れます。

口に含むとアロマティック。シェリー樽由来のドライフルーツ＆ナッツ。なめらかで豊かに広がります。余韻は長め。スパイス、バニラ、レーズン、モルティーで若干の香ばしさがあり、複雑。

香り立ちが素晴らしく、優れたシングルモルトウイスキー。インペリアルは閉鎖したことが悔やまれている蒸留所。年々リリースが減っているので、今のうちに飲んでおきたいですね。

飲み方はストレートの一択。というか、このウイスキーをハイボールやロックで飲む勇気はありません（笑）加水に対しては、シェリー樽熟成なのである程度強いかもしれませんが、試す必要もないですし、度数の加水タイプでちょうど良く設定されているので、このまま飲みましょう。